スプリング板(ベリリウム銅板バネ)|C1720P 板バネ・精密板金加工例
伸銅品における高性能薄板バネなどによく利用される薄板板金材料である C1720P(ばね用ベリリウム銅板)の板バネ加工・精密板金加工サンプルとして、ベリリウム銅のバネ性を生かした電気機器用接点スイッチ部品として利用されるスプリング板(ベリリウム銅板バネ)の製作実例をご案内しています。
製品情報、板金加工内容・部品加工データの詳細、設計・加工のポイントなどをご紹介していますので、お見積もり・ご注文の際の参考にしてください。
■ スプリング板(ベリリウム銅板バネ)
■ 製品サンプル写真 (クリックで拡大)
■ 製品情報・加工データ詳細
- 加工カテゴリー : 精密板金加工・板バネ加工
- 製品名称 : スプリング板(仮称)
- お客様 : 企業様向け
- 製品用途 : 電気機器用の接点スイッチ部品として利用(詳細用途は不明)
- 設計者 : お客様
- 加工用図面形式 : CAD作図によるFAX紙図面
- 製品構成部品点数 : 1点
- 組立方法 : −
- 製品概略サイズ : 8mm(W)×22.5mm(L)×2.5mm(H)
- 素材材質・材料 : ばね用ベリリウム銅板 C1720P(旧JIS記号:BeCuP2)
- 板厚 : t0.4mm
- 表面処理 : なし
- 製作数量 : 20個
- ブランク加工方法 : シャーリングカット(1)、ワイヤーカット(ワイヤー加工)(2)
- 曲げ加工内容: プレスブレーキ曲げ(3)
- 曲げ加工箇所数: 1箇所(160°鈍角曲げ)
- 絞り加工 : なし
- 穴加工方法 : −
- 穴加工数 : なし
- タップ加工数 : なし
- 溶接箇所 : 溶接なし
- 溶接後の表面処理 : −
- 図面指示の特定寸法公差 : 幅寸法など ±0.05
- 図面指示なき寸法公差 : 板金加工品の一般公差(JIS B 0408-B(4) 打抜き・曲げ・絞り)
- 金型又は簡易ジグ製作の要否 : 不用
- 加工難易度 :
- 材料費価格(材料コスト) :
- 加工賃価格(加工コスト) :
- 表面処理価格(表面処理コスト) : −
- トータル価格(トータルコスト) :
- 納期 : (注文後営業日10日以上程度)
- 評価(満足度) :
■ 注記(用語の説明)
- 注(1).シャーリングカット(シャーリング加工)
- 鋼板・板材を切断すること。切断の原理は、紙を切るハサミと同様。
以下のような機械で加工する。
- 注(2).ワイヤーカット(ワイヤー加工)
- 工作物と電極との間の放電現象を利用して行う加工。
走行する金属製(主に真鍮製)のワイヤー電極を用いて電極・工作物間に短い周期で繰り返されるアーク放電によって被加工物表面の一部を除去する機械加工の方法。
ワイヤー加工は、被加工物が電気を通す材質(導体)でなければ加工できないという特徴がある。精度の高い加工が可能なため金型を製作するために広く用いられる。ワイヤー加工を行う工作機械をワイヤ放電加工機という(参考写真以下)。
- 注(3).ブレスブレーキ曲げ(ベンダー加工)
- 鋼板・板材を曲げ加工すること。一般にV型のダイに乗せた板材をプレス加圧し、塑性変形させて任意の角度に曲げる。板金加工品の完成度は、曲げ加工の精度に拠るところが大きく、板金の基本的かつ重要な加工工程の一つ。以下のような機械で曲げ加工する。
- 注(4).JIS B 0408-B
- 金属プレス加工品(金属板を打抜き・曲げ・絞りによってプレス加工したもの)の普通寸法公差(特に図面に指示のない寸法の公差、一般公差)は、JIS B 0408(金属プレス加工品の普通寸法公差)に規定される等級”B級”によるという意味。各等級の普通寸法許容差は以下。
■ スプリング板(ベリリウム銅板バネ)の加工図面、設計・加工のポイントなど
■ スプリング板の概略図面
このスプリング板(ベリリウム銅板バネ)の概略形状を表す図面は以下の図面になります。
(実際の製作用図面ではなく、寸法などの詳細を省き説明用に書いた概略図面になります。)
【スプリング板(ベリリウム銅板バネ) C1720P t0.4の概略図面】
■ 設計・加工のポイント
このスプリング板(ベリリウム銅板バネ)は、160度程度で鈍角に曲げ加工してある部分が板バネの役割を果たす電気機器の接点スイッチ部品として利用されるスプリング板になっています。
加工方法としては、曲げ加工部以外はある程度の寸法精度が必要であり、細幅な形状で平板部分のたわみ・ひずみ・ゆがみも嫌う部品であることなどから、ワイヤーカット加工によりブランク加工を行った後、プレスブレーキによる鈍角の曲げ加工を行っています。
位置決め用のピン部の幅は、板厚と同じ0.4mmですが、この部分の加工においても、ワイヤ放電加工機によるワイヤーカットであれば精度良く加工ができます。