スイッチ接点板|ばね用ベリリウム銅板 C1720P 精密板金加工サンプル
伸銅品における高性能薄板バネなどによく利用される薄板板金材料である C1720P(ばね用ベリリウム銅板)の薄板金属加工・精密板金加工サンプルとして、ワイヤーカット加工により角部の丸みを極力抑えた平板状のベリリウム銅スイッチ接点板の製作実例をご案内しています。
製品情報、板金加工内容・部品加工データの詳細、設計・加工のポイントなどをご紹介していますので、お見積もり・ご注文の際の参考にしてください。
■ ベリリウム銅スイッチ接点板
■ 製品サンプル写真 (クリックで拡大)
■ 製品情報・加工データ詳細
- 加工カテゴリー : 精密板金加工・薄板金属加工
- 製品名称 : ベリリウム銅スイッチ接点板(仮称)
- お客様 : 企業様向け
- 製品用途 : 平板状のスイッチ接点として利用(詳細用途は不明)
- 設計者 : お客様
- 加工用図面形式 : CAD作図によるFAX紙図面
- 製品構成部品点数 : 2点
- 組立方法 : −
- 製品概略サイズ : 5mm(W)×18.5mm(L)×0.3mm(H)
- 素材材質・材料 : ばね用ベリリウム銅板 C1720P(旧JIS記号:BeCuP2)
- 板厚 : t0.3mm
- 表面処理 : なし
- 製作数量 : スイッチ接点板A 及び スイッチ接点板B とも 各10個
- ブランク加工方法 : シャーリングカット(1)、ワイヤーカット(ワイヤー加工)(2)
- 曲げ加工内容: −
- 曲げ加工箇所数: なし
- 絞り加工 : なし
- 穴加工方法 : プレス抜き(セットプレス(3))
- 穴加工数 : 1-φ1.6
- タップ加工数 : なし
- 溶接箇所 : 溶接なし
- 溶接後の表面処理 : −
- 図面指示の特定寸法公差 : ±0.05
- 図面指示なき寸法公差 : 板金加工品の一般公差(JIS B 0408-B(4) 打抜き・曲げ・絞り)
- 金型又は簡易ジグ製作の要否 : 不用
- 加工難易度 :
- 材料費価格(材料コスト) :
- 加工賃価格(加工コスト) :
- 表面処理価格(表面処理コスト) : −
- トータル価格(トータルコスト) :
- 納期 : (注文後営業日10日以上程度)
- 評価(満足度) :
■ 注記(用語の説明)
- 注(1).シャーリングカット(シャーリング加工)
- 鋼板・板材を切断すること。切断の原理は、紙を切るハサミと同様。
以下のような機械で加工する。
- 注(2).ワイヤーカット(ワイヤー加工)
- 工作物と電極との間の放電現象を利用して行う加工。
走行する金属製(主に真鍮製)のワイヤー電極を用いて電極・工作物間に短い周期で繰り返されるアーク放電によって被加工物表面の一部を除去する機械加工の方法。
ワイヤー加工は、被加工物が電気を通す材質(導体)でなければ加工できないという特徴がある。精度の高い加工が可能なため金型を製作するために広く用いられる。ワイヤー加工を行う工作機械をワイヤ放電加工機という(参考写真以下)。
- 注(3).セットプレス
- 鋼板・板材に穴などのパンチング加工を行う機械。
- 注(4).JIS B 0408-B
- 金属プレス加工品(金属板を打抜き・曲げ・絞りによってプレス加工したもの)の普通寸法公差(特に図面に指示のない寸法の公差、一般公差)は、JIS B 0408(金属プレス加工品の普通寸法公差)に規定される等級”B級”によるという意味。各等級の普通寸法許容差は以下。
■ ベリリウム銅スイッチ接点板の加工図面、設計・加工のポイントなど
■ ベリリウム銅スイッチ接点板の概略図面
このベリリウム銅スイッチ接点板の概略形状を表す図面は以下の図面になります。
(実際の製作用図面ではなく、寸法などの詳細を省き説明用に書いた概略図面になります。)
【ベリリウム銅スイッチ接点板(スイッチ接点板Aの場合) C1720P t0.3の概略図面】
■ 設計・加工のポイント
このベリリウム銅スイッチ接点板は、少々複雑な形状になっている先端の引っ掻き爪のような部分は、それぞれの角部が丸みを帯びないで極力鋭角が出るようにカットする必要があることから、ワイヤー放電加工機によるワイヤーカットによりブランク加工しています。
ワイヤーカット加工におけるワイヤ放電加工機のワイヤ線径は、φ0.25のワイヤを使用しているため、被加工物の角部のR寸法は、通常R0.15程度となります。
なお、レーザーカット加工の場合は、レーザー光線径がφ0.4程度となりますので、ワイヤーカットよりも角部のRは大きくなります。
さらに、エッチング加工により製作するとすれば、このスイッチ接点板の板厚はt0.3なので、角部のR寸法は、R0.25程度の仕上がりになります。
このように、このスイッチ接点板の場合は、ワイヤーカットにより加工すれば最も角部のRを小さく抑えることができます。