フライマテリアル・リップウエイト|真鍮板加工・アルミ板加工の試作・量産サンプル
真鍮板(黄銅板)の一般的な板金材料である C2801P の精密板金加工サンプルとして、ルアー釣りでは一般的なリップをフライにも応用したフライフィッシングにおけるストリーマーフライ用の金属リップ(フライマテリアル・リップウエイト)の試作・量産実例をご案内しています。
製品情報、板金加工内容・部品加工データの詳細、設計・加工のポイントなどをご紹介していますので、お見積もり・ご注文の際の参考にしてください。
■ フライマテリアル・リップウエイト-ストリーマーフライ用
■ 製品サンプル写真(クリックで拡大)
真鍮板 C2801P t0.3(左)/アルミ板 A5052P t0.3(右)
■ 製品情報・加工データ詳細
- 加工カテゴリー : 精密板金加工・試作加工・プレス量産
- 製品名称 : フライマテリアル・リップウエイト(ストリーマーフライ用)
- お客様 : 個人様向け
- 製品用途 : フライフィッシングにおけるストリーマーフライ用の金属リップとして利用。
- 設計者 : お客様
- 加工用図面形式 : CAD作図によるDXFファイル形式図面
- 製品構成部品点数 : 1点
- 組立方法 : −
- 製品概略サイズ : 4.8mm(W)×8.9mm(L)×5.0mm(H)
- 素材材質・材料 : 真鍮板 C2801P(比重 8.43)/アルミ板 A5052P(比重 2.68)
- 板厚(真鍮板) : t0.3(試作時)/t0.4mm(量産時)
- 板厚(アルミ板) : t0.3(試作時のみ)
- 表面処理 : なし
- 製作数量(試作時) : 1個(真鍮板製)/1個(アルミ板製)
- 製作数量(量産) : 10万個(真鍮板製のみ)
- ブランク加工方法(試作) : シャーリングカット(1)、プレス抜き(ケトバシ(2))
- ブランク加工方法(量産) : 順送型によるプレス抜き加工
- 曲げ加工内容(試作): プレスブレーキ曲げ(3)
- 曲げ加工内容(量産): 順送型によるプレス曲げ加工
- 曲げ加工箇所数: 3箇所
- 絞り加工 : なし
- 穴加工方法 : −
- 穴加工数 : なし
- タップ加工数 : なし
- 溶接箇所 : 溶接なし
- 溶接後の表面処理 : −
- 図面指示の特定寸法公差 : 特定箇所の寸法公差指示なし
- 図面指示なき寸法公差 : 板金加工品の一般公差(JIS B 0408-B(4) 打抜き・曲げ・絞り)
- 金型又は簡易ジグ製作の要否(試作) : 必要(簡易ジグ)
- 金型又は簡易ジグ製作の要否(量産) : 必要(量産用順送金型)
- 加工難易度 :
- 材料費価格(材料コスト) :
- 加工賃価格(加工コスト) : (順送金型費用除く量産時コスト)
- 表面処理価格(表面処理コスト) : −
- トータル価格(トータルコスト) : (順送金型費用含む量産時トータルコスト)
- 納期 : (注文後営業日30日以上程度:量産時)
- 評価(満足度) :
■ 注記(用語の説明)
- 注(1).シャーリングカット(シャーリング加工)
- 鋼板・板材を切断すること。切断の原理は、紙を切るハサミと同様。
以下のような機械で加工する。
- 注(2).ケトバシ(足踏みプレス・フートプレス)
- 完全手動のプレス機械。足で蹴飛ばすことを動力とする。ごく少量試作板金等には重宝する。
- 注(3).ブレスブレーキ曲げ(ベンダー加工)
- 鋼板・板材を曲げ加工すること。一般にV型のダイに乗せた板材をプレス加圧し、塑性変形させて任意の角度に曲げる。板金加工品の完成度は、曲げ加工の精度に拠るところが大きく、板金の基本的かつ重要な加工工程の一つ。以下のような機械で曲げ加工する。
- 注(4).JIS B 0408-B
- 金属プレス加工品(金属板を打抜き・曲げ・絞りによってプレス加工したもの)の普通寸法公差(特に図面に指示のない寸法の公差、一般公差)は、JIS B 0408(金属プレス加工品の普通寸法公差)に規定される等級”B級”によるという意味。各等級の普通寸法許容差は以下。
■ フライマテリアル・リップウエイトの製作図面、設計・加工のポイントなど
■ フライマテリアル・リップウエイトの加工用図面
このフライマテリアル・リップウエイトの試作品及び量産用の加工用図面は以下の図面になります。(実際の製作用図面ではなく、寸法などの詳細を省き説明用に書いた概略図面になります。)
【真鍮製及びアルミ製フライマテリアル・リップウエイトの展開図(曲げ加工前の平板形状図)】
【真鍮製及びアルミ製フライマテリアル・リップウエイトの三角法による概略図面】
■ 設計・加工のポイント
このフライマテリアル・リップウエイトは、まず試作段階では、素材材料として、真鍮板とアルミ板の2つで試作しました。(上の写真はいずれも板厚t0.3による試作品の写真になります。)
フライフィッシングにおけるストリーマーフライ用の金属リップとして利用するものであり、その性質上、製品重量がポイントの一つとなるため、比重が大きい真鍮と、逆に比重が小さいアルミを選定し、実際に使用感をお客様に確認していただきました。
真鍮製の重量は計算値で約0.07g(C2801P t0.3:比重8.43)、アルミ製の重量は、同じく計算値で約0.02g(A5052P t0.3:比重2.68)となります。
実際に両者を使い比べてみたところ、アルミ板製では軽すぎて、さらに真鍮製でももう少し重くても良いことが分かり、最終的に真鍮板のt0.4程度が適当あるという結論に至り、10万個の量産を真鍮製の板厚t0.4で生産することに決定しました。
フライマテリアル・リップウエイトの10万個の量産加工は、以下の実物写真のような順送型により生産しています。
【順送型の実物写真(フライマテリアル・リップウエイトのプレス量産加工用金型】
■ フライマテリアル・リップウエイトについて
■ 特徴、使用方法、フライフィッシングショップの紹介、販売価格など
このフライマテリアル・リップウエイトは、ルアーでは一般的なリップ(水の流れを受けてルアーが頭を振って動くようにするための抵抗板のこと)を、フライフィッシングにも応用できないだろうかと考えたフライフィッシャーであるお客様により考案された商品です。
フライの沈下もスムーズで、キャスト時の回転も心配なし、というのが売り文句のストリーマーフライ用の金属リップです。
フライフイッシングにおいてフライをタイイングする際に取り付けて使用することによって、ルアーにおけるリップようにフライに独特な動きを与えて魚の興味をそそると同時に、ウエイトの役目もはたすことができます。
ストリーマーに以下の写真のように瞬間接着剤などで取り付けて使用します。
【ストリーマーへのフライマテリアル・リップウエイト取り付け例】
このフライマテリアル・リップウエイトは、以下のフライフィッシングショップなどから、1袋10個入り500円(税込み)で購入できます。
(板金加工eyeでは販売しておりません。)
- fly fishing shop mercury
- フライマテリアル・リップウエイトを取り扱っているフライフィッシングショップ。