平目ローレット加工ブッシュ|鉄 SS材(ユニクロメッキ) NC旋盤加工例
機械加工部品のサンプルとして、鉄(SS材)を旋盤加工(NC旋盤)により切削加工して製作した平目ローレット加工付きのギターのぺグ(糸巻き)部分のブッシュの製作実例をご案内しています。
板金加工eyeでは精密板金・板金加工品以外にもご要望があれば機械加工部品もお請けできます。製品情報、部品加工データの詳細、設計・加工のポイントなどをご紹介していますので、お見積もり・ご注文の際の参考にしてください。
■ 平目ローレット加工ブッシュ-NC旋盤加工品
■ 製品サンプル写真
平目ローレット加工ブッシ 鉄(SS材)+ユニクロメッキ
(クリックで拡大)
■ 製品情報・加工データ詳細
- 加工カテゴリー : 機械加工
- 製品名称 : 平目ローレット加工ブッシュ(仮称)
- お客様 : 企業様向け
- 製品用途 : ギターのぺグ(糸巻き)部分のブッシュパーツとして利用(詳細用途は不明)
- 設計者 : お客様(詳細設計は板金加工eye)
- 加工用図面形式 : 手書き図面
- 製品構成部品点数 : 1点
- 組立方法 : −
- 製品概略サイズ : 外径φ1mm×内径φ6.1mm×8mm(L)
- 素材材質・材料 : 鉄(SS材)
- 板厚 : −
- 表面処理 : ユニクロメッキ処理
- 製作数量 : 1000個
- 主な機械加工方法 : 旋盤(1)(NC旋盤加工(2))
- 穴加工方法 : NC旋盤(2)
- 穴加工数 : 1-φ6.1×8L(内径貫通穴)
- タップ加工数 : −
- 溶接箇所 : 溶接なし
- 溶接後の表面処理 : −
- 仕上げ : −
- 図面指示の特定寸法公差 : 特定箇所の寸法公差指示なし
- 図面指示なき寸法公差 : JIS B 0405-m(3)(金属除去加工又は板金成形品の一般公差)
- 加工難易度 :
- 材料費価格(材料コスト) :
- 加工賃価格(加工コスト) :
- 表面処理価格(表面処理コスト) :
- トータル価格(トータルコスト) :
- 納期 : (注文後営業日15日以上程度)
- 評価(満足度) :
■ 注記(用語の説明)
- 注(1).旋盤(旋盤加工)
- 主として工作物を回転させ、バイトなどを使用して、外丸削り、中ぐり、突切り、正面削り、ねじ切りなどの加工を行う工作機械。
一般的な汎用旋盤(普通旋盤)から、自動旋盤、数値制御されたNC旋盤(CNC旋盤)など、用途や加工目的・手段などにより様々な旋盤がある(参考写真以下)。
- 注(2).NC旋盤(NC旋盤加工)
- NCとは『Numerical Control』の略で、数値制御装置をもつ旋盤で、工作物の位置や運動、刃物台の移動距離や送り速度を数値化し指示できるようにした旋盤のこと。
コンピュータによる数値制御を行うCNC旋盤(CNC:Computer Numerical Control)が主流となっている。 - 注(3).JIS B 0405-m
- 金属の除去加工又は板金成形によって製作した部品の普通寸法公差(特に図面に指示のない寸法の公差、一般公差)は、JIS B 0405(普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差)に規定される等級”m(中級)”によるという意味。
JIS B 0405 の各等級の長さ寸法及び角度寸法の普通公差は以下。
■ 平目ローレット加工ブッシュの加工図面、設計・加工のポイントなど
■ 平目ローレット加工ブッシュの概略図面
この部品は、既に生産してある現物があって、それと同じものを作りたいというお客様の要望により製作したブッシュです。
お客様から以下の現物写真と、概略図面をいただき、板金加工eyeにて実際の製作図面を調整しました。
お客様よりいただいた現物の写真は以下の写真になります。
【既に生産してある平目ローレット加工ブッシュの現物写真(材質・表面処理などは不明)】
上記の現物写真と、お客様からいただいた情報に基づいて調整した製作図面が以下になります。
【鉄(SS材)ユニクロメッキ製 平目ローレット加工ブッシュ の製作図面】
■ ローレットとは、ローレット加工とは
製品写真及び製作図面のように、このギターのぺグ(糸巻き)部分のブッシュ部品は、外径φ8円筒表面がギザギザの凹凸になるように表面を加工してありますが、この部分がローレット目(ローレット加工)になります。
この部品の場合、表面にローレット加工をする目的は、ブッシュを指や工具でつまんで回す際の滑り止め用になります。
一般的にも円筒形表面の滑り止めが目的でローレット加工を施す場合が多いようです。
ローレットとは、フランス語に由来する言葉であり、ギザギザのことを意味するものです。
英語ではローレトのことをナーリング(Knurling)と言います。
日本ではローレットと呼ばれる方が一般的で、主に円柱形などの丸物の外周にギザギザのローレット目を付けることで、すべり止めの役割として用いられる場合が多いものです。
ローレット加工の方法には、主に、切削加工によってローレット目を施す切削式と、専用のローレット工具(ナーリング工具)を被加工物の表面に強く押し当てて表面を押しつぶし、塑性変形させることによってローレット目に仕上る転造式の二通りの加工方法があります。
ローレット目の種類には、一般に、『平目』と『アヤ目(あや目、綾目)』の2種類があり、JIS規格でも以下のJISでローレット目が規定されています。
- JIS B 0951 ローレット目 (英文名称:Knurling)
この規格では、一般に用いるローレット目について規定されており、以下の内容が規定されています
- 1.種類
- ローレット目の種類は、平目およびアヤ目(あや目、綾目)の2種類とする。
(下図参照)
【ローレット目の種類(平目およびアヤ目)】 - 2.形状
- ローレット目の溝の形状は、加工物の直径が無限大となったと仮定した場合のミゾ直角断面について以下の図のように規定する。
【ローレット目の形状(溝の直角断面形状)】 - 3.寸法
- ローレット目の寸法は、次の表による。
【ローレット目の寸法表】 - 4.呼び方
- ローレット目の呼び方は、種類及びモジュールによる。
例:
平目 m0.5
アヤ目 m0.3 - 参考
- 加工物のブランクの直径を求めるには、つぎの式によるのがよい。
(1)平目の場合
D=nm
ここに、D:直径、n:整数、m:モジュール
(2)アヤ目の場合
D=nm/cos30°
nm/cos30°の値を次に示す。
【nm/cos30°の値】