バネ板固定金具(バンドアーム)|QSK-5 焼入れリボン鋼 板バネ加工例
SK材に焼入れを施した焼入鋼帯(焼入れリボン鋼)の精密板金加工・板バネ加工サンプルとして、焼入れ鋼帯のばね性を利用して装置内で製品の浮き上がりを防止するバネ板固定金具(バンドアーム)の製作実例をご案内しています。
製品情報、板金加工内容・部品加工データの詳細、設計・加工のポイントなどをご紹介していますので、お見積もり・ご注文の際の参考にしてください。
■ バネ板固定金具(バンドアーム)
■ 製品サンプル写真
バネ板固定金具(バンドアーム)-長いものからA、B、C
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■ 製品情報・加工データ詳細
- 加工カテゴリー : 精密板金加工・板バネ加工
- 製品名称 : 焼入れリボン鋼(SK焼入鋼帯)製 バネ板固定金具(バンドアーム)(仮称)
- お客様 : 企業様向け
- 製品用途 : ある装置で製品の浮き上がりを防ぐためのバネ板金具として使用
- 設計者 : お客様
- 加工用図面形式 : CAD作図によるFAX紙図面
- 製品構成部品点数 : 3点
- 組立方法 : −
- 製品概略サイズ(バネ板固定金具A) : 16mm(W)×175mm(L)×45mm(H)
- 製品概略サイズ(バネ板固定金具B) : 16mm(W)×145mm(L)×40mm(H)
- 製品概略サイズ(バネ板固定金具C) : 16mm(W)×105mm(L)×35mm(H)
- 素材材質・材料 : 焼入れリボン鋼帯(焼入鋼帯) QSK5/比重(密度)7.85
- 板厚 : t0.5mm
- 表面処理 : なし(素材の状態でブルーテンパー処理済み)
- 製作数量 : バネ板固定金具A、B、Cとも各8個
- ブランク加工方法 : シャーリングカット(1)
- 曲げ加工内容: プレスブレーキ曲げ(2)(鈍角R曲げ加工)(追い曲げ加工)
- 曲げ加工箇所数: 2箇所(追い曲げは複数箇所)
- 絞り加工 : なし
- 穴加工方法 : プレス抜き(セットプレス(3))
- 穴加工数 : 2-φ5(バネ板固定金具A、B、Cとも)
- タップ加工数 : なし
- 溶接箇所 : 溶接なし
- 溶接後の表面処理 : −
- 図面指示の特定寸法公差 : 特定箇所の寸法公差指示なし
- 図面指示なき寸法公差 : 板金加工品の一般公差(JIS B 0408-B(4) 打抜き・曲げ・絞り)
- 金型又は簡易ジグ製作の要否 : 不用
- 加工難易度 :
- 材料費価格(材料コスト) :
- 加工賃価格(加工コスト) :
- 表面処理価格(表面処理コスト) : −
- トータル価格(トータルコスト) :
- 納期 : (注文後営業日10日以上程度)
- 評価(満足度) :
■ 注記(用語の説明)
- 注(1).シャーリングカット(シャーリング加工)
- 鋼板・板材を切断すること。切断の原理は、紙を切るハサミと同様。
以下のような機械で加工する。
- 注(2).ブレスブレーキ曲げ(ベンダー加工)
- 鋼板・板材を曲げ加工すること。一般にV型のダイに乗せた板材をプレス加圧し、塑性変形させて任意の角度に曲げる。板金加工品の完成度は、曲げ加工の精度に拠るところが大きく、板金の基本的かつ重要な加工工程の一つ。以下のような機械で曲げ加工する。
- 注(3).セットプレス
- 鋼板・板材に穴などのパンチング加工を行う機械。
- 注(4).JIS B 0408-B
- 金属プレス加工品(金属板を打抜き・曲げ・絞りによってプレス加工したもの)の普通寸法公差(特に図面に指示のない寸法の公差、一般公差)は、JIS B 0408(金属プレス加工品の普通寸法公差)に規定される等級”B級”によるという意味。各等級の普通寸法許容差は以下。
■ バネ板固定金具(バンドアーム)の加工図面、設計・加工のポイントなど
■ バネ板固定金具(バンドアーム)の概略図面
バネ板固定金具(バンドアーム)の概略形状を表す図面は以下の図面になります。
(実際の製作用図面ではなく、寸法などの詳細を省き説明用に書いた概略図面になります。)
【SK-5押さえ板(試料固定治具) 焼入れリボン鋼 QSK-5 t0.5の概略図面】
3種類のバネ板固定金具(バンドアーム)A、B及びCのL寸法(曲げ加工前の展開長さ)とS寸法は、それぞれ以下の寸法になっています。
- バネ板固定金具A : L=190mm 、 S=103.5mm
- バネ板固定金具B : L=160mm 、 S=73.5mm
- バネ板固定金具C : L=115mm 、 S=28.5mm
■ 設計・加工のポイント
この3種類のバネ板固定金具(バンドアーム)は、ある装置内において製品の浮き上がりを防止して固定するための板バネ金具として利用されるものです。
写真及び概略図面の形状のように、なだらかな鈍角のR曲げ形状をとすることで、焼入れリボン鋼のばね性が発揮され、繰返し製品の浮き上がりを防止・固定することができます。
バネ板固定金具(バンドアーム)の幅は、図面上は15mmとなっていますが、16mmでも問題ないので材料には幅16mmの焼入れリボン鋼(QSK5)の素材を利用することで、カット加工(切断加工)は長さ方向のみとしています。
なお、厚さ(板厚)t0.5 の焼入れリボン鋼(焼入鋼帯)には、幅5mmから102mmまでの素材が市中品として一般に入手することができます。
(以下の表参照)
厚さ t0.35〜t0.5 焼入れリボン鋼(SK焼入鋼帯)の定尺サイズ表:QSK5(SK-5)
焼入れリボン鋼は、素材状態で既に焼入れ処理を施してあるため、90°曲げや鋭角の曲げ加工を行うと割れてしまいますが、このバネ板固定金具(バンドアーム)のような鈍角R曲げ形状であれば、曲げることは可能です。
曲げ加工は、プレスブレーキにより小刻みに追い曲げ加工を繰り返すことでR形状に成形しています。