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SPCC,SECC,SGCCなど鋼板の板金加工実例

板金加工分野においてはいわゆる鉄板に類する材料として一般によく用いられる、冷間圧延鋼板(SPCC等)、電気亜鉛めっき鋼板(SECC等)、溶融亜鉛めっき鋼板(SGCC等)などによる精密板金・板金加工の製品実例をご紹介しております。

加工サンプル内容の詳細をご覧いただき、お見積もりやご注文の際の参考にしてください。

鋼板の種類や規格などに関することも簡単に解説しておりますので、こちらも設計などの参考になれば幸いです。

鋼板材料:SPCC、SECC、SGCC等


■ サンプル1

SPCC鋼板 t1.0(表面処理なし)の板金実例。個人様向け、趣味部品(自作パソコン改造のパーツ)。


■ サンプル2

SECC(ボンデ鋼板) t1.6(ブラック焼付塗装・艶アリ)の板金実例。企業様向け、OA機器・周辺機器のデジタル表示パネルのケース。


■ サンプル3

SGCC(溶融亜鉛めっき鋼板) t1.6(表面処理なし)の板金実例。個人様向け、趣味部品・段曲げのアングル。


■ サンプル4

SPCC鋼板(表面処理なし) t0.5 +ステンレスSUS304パイプφ25 全周シール溶接構造の板金実例。内部が負圧で使用されるバキュームノズル。


■ サンプル5

SPCC鋼板 t1.6 溶接組立 無電解ニッケルメッキ処理 シートレール加工(自動車取り付け用スライドシートレール自作)の板金実例。個人様趣味パーツ。


■ サンプル6

SECC 電気亜鉛めっき鋼板(ボンデ鋼板) t2.3 アダプター・ラックマウント(音響機器部品)の板金実例。タレットパンチプレス加工例。個人様趣味部品。


■ 薄板鋼板の名称・種類・サイズ・記号・規格など

薄板鋼板の種類
まず、板金加工材料として一般に最もよく用いられる薄板鋼板には、以下の鋼板があります。
板金加工eyeで扱う薄板鋼板も主に以下の3種類が最もよく使用する材料であり、いずれも大きく括ればいわゆる”鉄板”になります。

  • SPCC:冷間圧延鋼板
  • SECC:電気亜鉛めっき鋼板
  • SGCC:溶融亜鉛めっき鋼板
SPCC:冷間圧延鋼板
一般用の冷間圧延鋼板で、いわゆる鉄板。
SPCCは価格も安価で加工性も良く常温で圧延しているため表面がきれいであり、通称”みがき材”などとも言われる。
SPCCのほかにJISに規定がある冷間圧延鋼板の種類には、SPCD(絞り用)、SPCE(深絞り用)、SPCF(非時効性深絞り用)、SPCG(非時効性超深絞り用)などがあるが、特に絞り性が要求されるものを除き、一般にはSPCCが用いられる。
流通面においてもSPCCが最も市場性があり広く市中に流通している。
SPCC(冷間圧延鋼板)の表面色調
【SPCC冷間圧延鋼板の表面色調】
SECC:電気亜鉛めっき鋼板
冷間圧延鋼板を原板とし、表面に電気亜鉛めっき処理を施した処理鋼板。
処理鋼板の中では価格も安価であり、自動車、家電製品、OA機器、事務機器などの板金材料として広く利用されている。
SECCのほかにJISに規定がある電気亜鉛めっき鋼板の種類には以下などがある。
・SECD(絞り用):対応する原板はSPCD
・SECE(深絞り用):対応する原板はSPCE
・SECF(非時効性深絞り用):対応する原板はSPCF
・SECG(非時効性超深絞り用):対応する原板はSPCG
SECCは、ボンデ鋼板の名が最も有名だが、これはメーカー呼称の一種である。
ボンデ鋼板のほか、SECCのメーカー呼称には、スミジンク、リバージンク、コーベジンク、ジンコート、ユニジンクなどがある。
SECC(電気亜鉛めっき鋼板、通称:ボンデ鋼板)の表面色調
【SECC(ボンデ鋼板)の表面色調】
SGCC:溶融亜鉛めっき鋼板
冷間圧延鋼板を原板とし、亜鉛を含むめっき浴において表面に両面等厚の溶融亜鉛めっきを施した処理鋼板。
SGCCは、めっき層が厚いため耐食性が良く、外装建材、自動車、建材、屋外用機器などに広く使用される。
SGCCのほかにJISに規定がある溶融亜鉛めっき鋼板の種類には、SGCH(一般硬質用)、SGCD1(絞り用1種)、SGCD2(絞り用2種)、SGCD3(絞り用3種)などがあるが、通常の板金加工ではSGCCが用いられる。
SGCCの各鋼板メーカーによるメーカー呼称には、亜鉛鉄板、リバーゼット、ガルバエース、シルバージンク、タフジンクなどがある。
SGCC(溶融亜鉛めっき鋼板:)の表面色調
【SGCC(溶融亜鉛めっき鋼板)の表面色調】

※めっき鋼板(表面処理鋼板)は、上記のほかにも各鋼板メーカーが多くの商品を販売しており、その呼び方もさまざまあります。

薄板鋼板の標準サイズ・寸法
SPCCなど、通常市中で入手できる標準サイズの薄板鋼板は以下のようなサイズになります。

SPCCの定尺サイズ
・3×6(914mm×1,829mm):通称「サブロク」
・4×8(1,219mm×2,438mm):通称「シハチ」(※)
・5×10(1,524mm×3,048mm):通称「ゴトウ、ゴットウ」(※)
(※)
4×8シハチと5×10ゴトウのサイズは、アルミ板(A5052P)の4×8シハチと5×10ゴトウのサイズと若干寸法が異なる。
SPCCの標準板厚(mm)
t0.4、t0.5、t0.6、t0.8、t1.0、t1.2、t1.4、t1.6、t2.0、t2.3、t2.6、t2.9、t3.2
なお、JIS規格(JIS G 3141)には上記板厚の他に、t0.7、t0.9、t1.8、t2.5、t2.8 も標準板厚として規定があるが、これらの板厚素材は実際には市場性がなく一般には入手困難であるので注意が必要である。

薄板鋼板のJIS規格記号の意味
SPCC、SECC、SGCCなど、薄板鋼板の記号の意味は以下のようになります。

SPCC
S:Steel、 P:Plate、 C:Cold、 C:Commercial
SECC
S:Steel、 E:Electrolytic、 C:Cold、 C:Commercial
SGCC
S:Steel、 G:Galvanized、 C:Cold、 C:Commercial

上記はそれぞれ以下のような意味を持ちます。
S:Steel ⇒ 鋼
P:Plate ⇒ 薄板
C:Cold ⇒ 冷間圧延
C:Commercial ⇒ 一般用
E:Electrolytic ⇒ 電気亜鉛めっき
G:Galvanized ⇒ 溶融亜鉛めっき

鋼板のJIS規格
JISに規定のある鋼板関係の規格を以下にリストアップします。
※板金加工eyeにおける板金加工素材としては取り扱わない鋼板の規格が多数ありますので、あくまで鋼板の規格種類を知る上での参考資料とお考えください。

  • JIS C 2555 磁極用鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3103 ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板
  • JIS G 3113 自動車構造用熱間圧延鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3115 圧力容器用鋼板
  • JIS G 3116 高圧ガス容器用鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3118 中・常温圧力容器用炭素鋼鋼板
  • JIS G 3119 ボイラ及び圧力容器用マンガンモリブデン鋼及びマンガンモリブデンニッケル鋼鋼板
  • JIS G 3120 圧力容器用調質型マンガンモリブデン鋼及びマンガンモリブデンニッケル鋼鋼板
  • JIS G 3124 中・常温圧力容器用高強度鋼鋼板
  • JIS G 3126 低温圧力容器用炭素鋼鋼板
  • JIS G 3127 低温圧力容器用ニッケル鋼鋼板
  • JIS G 3128 溶接構造用高降伏点鋼板
  • JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3133 ほうろう用脱炭鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3134 自動車用加工性熱間圧延高張力鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3135 自動車用加工性冷間圧延高張力鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3312 塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3314 溶融アルミニウムめっき鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3317 溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3318 塗装溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3320 塗装ステンレス鋼板
  • JIS G 3321 溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3322 塗装溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯
  • JIS G 4109 ボイラ及び圧力容器用クロムモリブデン鋼鋼板
  • JIS G 4110 高温圧力容器用高強度クロムモリブデン鋼及びクロムモリブデンバナジウム鋼鋼板
  • JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
  • JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
  • JIS G 4312 耐熱鋼板
  • JIS G 7102 構造用耐候性熱間圧延鋼板及び鋼帯(ISO仕様)
  • JIS G 7122 冷間圧延電解クロム/クロム酸化物めっき鋼板(ISO仕様)
  • JIS G 7123 ぶりき又は電解クロム/クロム酸化物めっき鋼板製造用冷間圧延原板コイル(ISO仕様)
  • JIS G 7124 一般及び絞り用連続溶融アルミニウム/シリコンめっき冷間圧延炭素鋼鋼板(ISO仕様)