NCTタレパン加工品(タレットパンチプレス加工品)|SECCボンデ鋼板 板金加工例
鉄板(SPCC、SECC、SGCC等の鋼板)の板金加工サンプルとして、タレットパンチプレス加工(NCT タレパン加工)による処理鋼板 SECC(電気亜鉛めっき鋼板、ボンデ鋼板)の製作実例をご案内しています。
製品情報、板金加工内容・部品加工データの詳細、設計・加工のポイントなどをご紹介していますので、お見積もり・ご注文の際の参考にしてください。
■ アダプター・ラックマウント(音響機器部品)
■ 製品情報・加工データ詳細
- 加工カテゴリー : 板金加工
- 製品名称 : アダプター・ラックマウント
- お客様 : 個人様向け
- 製品用途 : オーディオ・マルチトラック・レコーダー等音響機器の部品(詳細用途不明)
- 設計者 : お客様
- 加工用図面形式 : CAD作図によるPDFファイル図面
- 製品構成部品点数 : 2点(左右対称L/R部品)
- 組立方法 : −
- 製品概略サイズ : 101mm(W)×391mm(L)×49.2mm(H)
- 素材材質・材料 : 鉄板 SECCボンデ鋼板(電気亜鉛めっき鋼板)
- 板厚 : t2.3mm
- 表面処理 : なし
- 製作数量 : 2個(L/R各1個)
- ブランク加工方法 : タレットパンチプレス(NCT)(1)
- 曲げ加工内容 : プレスブレーキ曲げ(2)
- 曲げ加工箇所数 : L/R各2箇所
- 絞り加工 : なし
- 穴加工方法 : プレス抜き(NCT タレパン(1))
- 穴加工数 : 2-φ11穴、4-φ5穴、4-φ7×10長丸穴、2-12×19異形穴(曲げ位置またぎ)
- タップ加工数 : −
- 溶接箇所 : 溶接なし
- 図面指示の特定寸法公差 : ±0.2〜0.3(穴位置寸法など)
- 図面指示なき寸法公差 : 板金加工品の一般公差(JIS B 0408-B(3) 打抜き・曲げ・絞り)
- 金型又は簡易ジグ製作の要否 :不用
- 加工難易度 :
- 材料費価格(材料コスト) :
- 加工賃価格(加工コスト) :
- 表面処理価格(表面処理コスト) : −
- トータル価格(トータルコスト) :
- 納期 : (注文後営業日12日程度)
- 評価(満足度) :
■ 注記(用語の説明)
- 注(1).タレットパンチプレス(タレパン、NCT) 参考英語:Turret punch press
- 通称”タレパン”又は”NCT”とも言われ、板金加工に一般によく使われるプレス機械の一種。
形状の異なった多数の金型を円状または扇状の「タレット」とよばれる金型ホルダーに配置し、NC制御によって任意の金型をスライド下部に回転させ、素材の所定の位置に所定の打抜き作業ができるクランクプレス(クランク機構によってスライドを駆動するプレス)。
板金加工における薄板のブランク加工(外形や抜き穴の加工)を自動で行うことができる機械(参考写真以下)。
- 注(2).ブレスブレーキ曲げ(ベンダー加工)
- 鋼板・板材を曲げ加工すること。一般にV型のダイに乗せた板材をプレス加圧し、塑性変形させて任意の角度に曲げる。板金加工品の完成度は、曲げ加工の精度に拠るところが大きく、板金の基本的かつ重要な加工工程の一つ。以下のような機械で曲げ加工する。
- 注(3).JIS B 0408-B
- 金属プレス加工品(金属板を打抜き・曲げ・絞りによってプレス加工したもの)の普通寸法公差(特に図面に指示のない寸法の公差、一般公差)は、JIS B 0408(金属プレス加工品の普通寸法公差)に規定される等級”B級”によるという意味。各等級の普通寸法許容差は以下。
■ 部品構成、設計・加工のポイントなど
■ アダプター・ラックマウントの図面・設計・加工のポイント
音響機器の部品として使用されるアダプター・ラックマウントの製作図面は、以下の図面のになります。
加工上特に難しい点などはそれほどありませんが、幾何学形状として斜めの角度をもつ形状であることが設計上のポイントになっています。
タレパン(NCT)により加工する場合は、製作数量がある程度まとまれば、製作コストをもっと抑えることができます。
【SECCボンデ鋼板 t2.3 NCTタレパン加工品 (タレットパンチプレス加工品) 製作図面】
■ SECC鋼板(電気亜鉛めっき鋼板)について
このアダプター・ラックマウントの素材材料には、SECC鋼板(電気亜鉛めっき鋼板)を利用しています。
SECCは、冷間圧延鋼板(SPCC)を原板として表面に電気亜鉛めっき処理を施した処理鋼板であり、処理鋼板の中では最も安価な板金材料の一つであり、家電製品や自動車などをはじめ広く利用されている処理鋼板です。
素材にあらかじめ電気亜鉛めっき処理を施している鋼板なので、機械装置内部部品などでは表面処理をせずにそのまま利用する場合もありますが、塗装との愛称がよい鋼板なので、塗装処理用の材料としても広く利用されています。
また、SECCはボンデ鋼板とも言われますが、ボンデ鋼板というのはメーカー呼称の一種であり、正確には「SECC=ボンデ鋼板」ではありません。
SECCの中ではボンデ鋼板が最も有名ですが、ほかにもスミジンク、リバージンク、ジンコート、ユニジンク、コーベジンク、ZAMなどのメーカー呼称のSECCがあります。
【SECC(ボンデ鋼板)の表面色調】
電気亜鉛めっき鋼板のJIS規格
電気亜鉛めっき鋼板は、JISでは以下の規格に規定されています。
- JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
- (英文):Electrolytic zinc-coated steel sheet and strip
電気亜鉛めっきを行った鋼板及び鋼帯について。
適用範囲、種類及び記号・適用する表示厚さ・原板、めっき付着量・めっきの付着量表示記号・密着性、化成処理、塗油、機械的性質、寸法及び許容差、形状、質量及びその許容差、外観、試験、検査、表示など。
電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯の種類には、SPHCなどの熱間圧延鋼帯を原板とする16種類(SEHCなど)と、SPCCなどの冷間圧延鋼帯を原板に用いる18種類(SECCなど)が規定されている。