SUS316L振動板(仮称) 薄板試作品|ステンレス板 精密板金サンプル
SUS304-2Bに代表されるステンレス板の板金加工サンプルとして、ある装置内部に使用される部品で、SUS316L薄板を材料とする振動板の試作品の製作実例をご案内しています。
製品情報、板金加工内容・部品加工データの詳細、設計・加工のポイントなどをご紹介していますので、お見積もり・ご注文の際の参考にしてください。
■ 振動板(ステンレス薄板 SUS316L)
■ 製品情報・加工データ詳細
- 加工カテゴリー : 精密板金加工、薄板試作
- 製品名称 : 振動板(仮称)
- お客様 : 企業様向け
- 製品用途 : ●●機械装置内部で使用する振動板として利用(●●は社外秘)
- 設計者 : お客様
- 加工用図面形式 : CAD作図によるDXFファイル形式図面
- 製品構成部品点数 : 1点
- 組立方法 : なし
- 製品概略サイズ : 35mm(W)×114mm(L)×6.5mm(H)
- 素材材質・材料 : ステンレス薄板 SUS316L(お客様からの支給材料)
- 板厚 : t0.5mm
- 表面処理 : なし
- 製作数量 : 10個
- ブランク加工方法 : ワイヤーカット(ワイヤー加工)(1)
- 曲げ加工内容: プレスブレーキ曲げ(2)(6箇所)
- 絞り加工 : なし
- 穴加工方法 : プレス抜き(セットプレス(3))
- 穴加工数 : 1-φ10穴
- タップ加工数 : なし
- 溶接箇所 : なし
- 溶接後の表面処理 : −
- 図面指示の特定寸法公差 : ±0.1mm(中心部矩形部寸法)
- 図面指示なき寸法公差 : 板金加工品の一般公差(JIS B 0408-B(4) 打抜き・曲げ・絞り)
- 金型又は簡易ジグ製作の要否 : 不用
- 加工難易度 :
- 材料費価格(材料コスト) : −(支給材のため)
- 加工賃価格(加工コスト) :
- 表面処理価格(表面処理コスト) : −
- トータル価格(トータルコスト) :
- 納期 : (注文後営業日15日以上程度)
- 評価(満足度) :
■ 注記(用語の説明)
- 注(1).ワイヤーカット(ワイヤー加工)
- 工作物と電極との間の放電現象を利用して行う加工。
走行する金属製(主に真鍮製)のワイヤー電極を用いて電極・工作物間に短い周期で繰り返されるアーク放電によって被加工物表面の一部を除去する機械加工の方法。
ワイヤー加工は、被加工物が電気を通す材質(導体)でなければ加工できないという特徴がある。精度の高い加工が可能なため金型を製作するために広く用いられる。ワイヤー加工を行う工作機械をワイヤ放電加工機という(参考写真以下)。
- 注(2).ブレスブレーキ曲げ(ベンダー加工)
- 鋼板・板材を曲げ加工すること。一般にV型のダイに乗せた板材をプレス加圧し、塑性変形させて任意の角度に曲げる。板金加工品の完成度は、曲げ加工の精度に拠るところが大きく、板金の基本的かつ重要な加工工程の一つ。以下のような機械で曲げ加工する。
- 注(3).セットプレス
- 鋼板・板材に穴などのパンチング加工を行う機械。
- 注(4).JIS B 0408-B
- 金属プレス加工品(金属板を打抜き・曲げ・絞りによってプレス加工したもの)の普通寸法公差(特に図面に指示のない寸法の公差、一般公差)は、JIS B 0408(金属プレス加工品の普通寸法公差)に規定される等級”B級”によるという意味。各等級の普通寸法許容差は以下。
■ 部品構成、設計・加工のポイントなど
■ SUS316L薄板試作振動板の概略図面・設計・加工のポイント
SUS316L薄板製の振動板の概略図面は、以下の図面になります。
(寸法詳細などは消去しています)
【薄板試作品 振動板 ステンレス SUS316L t0.5 概略図面】
加工素材材料は、お客様より支給いただいたステンレス薄板のSUS316Lのt0.5を用いています。
通常板金加工材料として一般に利用するSUS304ではなく、耐食性に一段と優れているSUS316Lを用いている理由は不明です。
(板金加工eyeでは、ステンレス材料としてはSUS316及びSUS316Lの板材は、通常在庫していません。必要があれば別途入荷して加工するか、お客様より支給いただいています。加工性としてはSUS304板と同等です。)
この振動板の試作品は、図面のように中心部と両側の矩形板を、わずか幅0.5mmの細さで連結する形状となっています。
幅0.5mmの部分は、板厚も0.5mmなので、つまり0.5mm×0.5mmの極細の四角棒の形状になっています。
SUS316Lという材質と、t0.5mmという板厚を考えれば、レーザー加工(レーザーカット)によりブランクを加工して曲げ加工を行うのが通常ですが、このSUS316L振動板試作品の場合は、幅0.5mmの極細形状の部分がレーザー加工では熱ひずみによりねじれ・たわみの変形を発生するため、ワイヤ放電加工を採用しています。