電動パイプカッター治具試作品|ステンレス板ほか 板金加工サンプル
SUS304-2Bに代表されるステンレス板の板金加工サンプルとして、配管(鋼管)を縦割りに切断するためのカッター治具・アタッチメントの試作品の製作実例をご案内しています。
製品情報、板金加工内容・部品加工データの詳細、設計・加工のポイントなどをご紹介していますので、お見積もり・ご注文の際の参考にしてください。
■ 電動パイプカッター治具(電動カッターアタッチメント治具)
■ 製品情報・加工データ詳細
- 加工カテゴリー : 板金加工、試作
- 製品名称 : 電動パイプカッター治具(仮称)
- お客様 : 企業様向け
- 製品用途 : 配管(鋼管)を縦割りカットするためのカッター治具・アタッチメントとして利用
- 設計者 : 原案はお客様、板金加工eyeにて詳細ご提案
- 加工用図面形式 : CAD作図によるDXFファイル形式図面
- 製品構成部品点数 : 6点(部品@〜E)
- 組立方法 : 皿ビス
- 製品概略サイズ : 約50mm(W)×約240mm(L)×約75mm(H)(組立品にて)
- 素材材質・材料 : ステンレス SUS304-2B板材/SUS303快削鋼/アルミ板 A5083P
- 板厚 : t2.0mm(SUS304-2B)、t4.0(A5083P)
- 表面処理 : なし
- 製作数量 : 1台
- ブランク加工方法(SUS304-2B t1.5) : シャーリングカット(1)
- ブランク加工方法(A5083P t4.0) : 4面フライス加工(2)
- 曲げ加工内容: プレスブレーキ曲げ(3)
- 曲げ加工箇所数(@ベースプレート): 4箇所(補強のため)
- 曲げ加工箇所数(Bプレートガイド): 1箇所
- 曲げ加工箇所数(Cカバー軸受け): 2箇所
- 絞り加工 : なし
- 穴加工方法 : プレス抜き(セットプレス(4)、ケトバシ(5))及びドリル
- 穴加工数(@ベースプレート): 3-M3用皿座ぐり穴、10×140角穴(異形四角穴)
- 穴加工数(A配管保護プレート): 3-M3用皿座ぐり穴
- 穴加工数(Bプレートガイド): 2-3.5×6長丸穴
- 穴加工数(Cカバー軸受け): 2-φ5穴
- 穴加工数(Eスライド固定金具): 1-3.5×7.5長丸穴
- タップ加工数(Bプレートガイド) : 3-M3
- タップ加工数(D連結ベース) : 6-M3有効深さ6mm
- 溶接箇所 : なし
- 溶接後の表面処理 : −
- 図面指示の特定寸法公差 : 特定箇所の寸法公差指示なし
- 図面指示なき寸法公差 : 板金加工品の一般公差(JIS B 0408-B(6) 打抜き・曲げ・絞り)
- 金型又は簡易ジグ製作の要否 : 不要
- 加工難易度 :
- 材料費価格(材料コスト) :
- 加工賃価格(加工コスト) :
- 表面処理価格(表面処理コスト) : −
- トータル価格(トータルコスト) :
- 納期 : (注文後営業日15日以上程度)
- 評価(満足度) :
■ 注記(用語の説明)
- 注(1).シャーリングカット(シャーリング加工)
- 鋼板・板材を切断すること。切断の原理は、紙を切るハサミと同様。
以下のような機械で加工する。
- 注(2).フライス加工(フライス盤)
- フライス盤を利用して行う切削加工。
フライス盤とは、工作物に送り運動を与え、主軸とともに回転するフライスを使用して、平面削り、溝削りなどの加工を行う工作機械。
一般的な汎用フライス盤から、数値制御されたNCフライス盤(CNCフライス盤)など、用途や加工目的・手段などにより様々なフライス盤がある(参考写真以下)。
- 注(3).ブレスブレーキ曲げ(ベンダー加工)
- 鋼板・板材を曲げ加工すること。一般にV型のダイに乗せた板材をプレス加圧し、塑性変形させて任意の角度に曲げる。板金加工品の完成度は、曲げ加工の精度に拠るところが大きく、板金の基本的かつ重要な加工工程の一つ。以下のような機械で曲げ加工する。
- 注(4).セットプレス
- 鋼板・板材に穴などのパンチング加工を行う機械。
- 注(5).ケトバシ(足踏みプレス・フートプレス)
- 完全手動のプレス機械。足で蹴飛ばすことを動力とする。ごく少量試作板金等には重宝する。
- 注(6).JIS B 0408-B
- 金属プレス加工品(金属板を打抜き・曲げ・絞りによってプレス加工したもの)の普通寸法公差(特に図面に指示のない寸法の公差、一般公差)は、JIS B 0408(金属プレス加工品の普通寸法公差)に規定される等級”B級”によるという意味。各等級の普通寸法許容差は以下。
■ 部品構成、設計・加工のポイントなど
■ 電動パイプカッター治具試作の部品構成(組立図)
電動パイプカッター治具の部品構成は、以下の組立図のように部品@〜Eまで、6点の部品から構成され、それぞれの部品が皿ビスにより組み立てられています。
【電動パイプカッター治具の組立図面(部品構成)】
■ 各部品の図面及び設計・加工のポイントなど
@ベースプレートは、電動パイプカッター治具のメイン部材となる部品ですが、バンドソーのように手に持って作業する作業性から、なるべく軽量であり、しかもベースとなる部材なのである程度の強度が必要となることから、板厚をt1.5と薄めにして、周囲4辺を補強のために曲げ加工しています。
【@ベースプレート SUS304-2B t1.5】
A配管保護プレートも軽量であることを重視し、アルミ合金板の平板としています。
板金加工で一般に用いるA5052Pではなく、A5052Pよりも強度が高いA5083Pのt4.0を採用しています。
A5083Pは、溶接構造用アルミ合金で、実用非熱処理合金の中で最も強度の高い耐食合金です。溶接構造に適しており、耐海水性・低温特性も良好なアルミ合金です。
【A配管保護プレート アルミ板 A5083P t4.0】
Bプレートガイドは、@ベースプレートとA配管保護プレートを結合する部品になります。
【Bプレートガイド SUS304-2B t1.5】
Cカバー軸受けは、市販の電動カッターに本試作品の電動パイプカッター治具を固定するための金具です。
【Cカバー軸受け SUS304-2B t1.5】
D連結ベースも、市販の電動カッターに本試作品の電動パイプカッター治具を固定するためのもう一方の固定金具ですが、この位置が重心であり、最も荷重を受ける部分であることから、ステンレスの機械加工部品としています。
【D連結ベース SUS303(快削ステンレス鋼)】
Eスライド固定金具は、本試作品の電動パイプカッター治具に取り付ける市販の電動カッター位置をスライドしてカッター刃の出入を調整するためのスライド金具です。
【Eスライド固定金具 SUS303(快削ステンレス鋼)】
■ 市販の電動カッターへの取付要領図
ピンクの線で描かれているのが電動カッターになります。
下図のように電動カッターを電動パイプカッター治具に取り付けることにより、@ベースプレートのスリットからカッター刃を出して、A配管保護プレートと@ベースプレートの隙間に挿入した配管を縦割りにカットします。
【市販の電動カッターへの取付要領図面】