図面の書き方・ポイント・製図用紙サンプル
図面の書き方が分からない方のために、板金加工部品などを図面に表すためのポイント・図面の書き方などを、実際の部品とその図面を比べることで分かりやすくまとめております。
手書き図面を描くための製図用紙サンプルもダウンロードしてご利用いただけるようご案内しておりますのでご活用ください。
あなたの作りたいもののイメージを図面にしていただければ、板金加工eyeがそれを現実の製品にしてお届けいたします。
■ 図面について
板金加工eyeにお問い合わせいただくお客様で、特に個人の方に多いですが、お電話で図面が無い・図面が書けないのだけれど、こういうものを作ってもらえませんか?、というようなお客様がよくいらっしゃいます。
このようなお電話だけでは、正確にはっきりと我々がその内容を理解するのは極めて困難です。やはり正確に作りたいもの伝えるためには図面或いは最低でもスケッチ程度の視覚的情報は必要不可欠です。
図面やスケッチがないために、せっかくのアイデア品や作りたいもののものづくりが実現に至らないケースがよくあります。これはとてももったいないことだと常々思っています。
確かに、図面やスケッチを描くことに馴れていない方にとっては、部品図面を書くということは、多少敷居が高いことかと思います。
でも、実は図面を書くことは基本とポイントをおさえれば、もちろん創るものによりますが、それ程難しい作業ではありません。
板金加工eyeでは、図面に不慣れな方のために、板金加工部品などの図面の書き方の基本やポイントを、実物と図面例でなるべく分かりやすいようにご説明していますので、是非イメージを図面にしてお見積もりをご依頼いただければと思います。
なお、お見積もりの際は、完成度の高い図面を心がけていただきますと、図面内容確認などのやり取りが省けるので、お見積がスピーディーに運びます。
ちなみに、完成度の高い図面というのは、CAD図のような体裁の良いきれいな図面という意味ではありません。
手書きフリーハンドで書いた図面であっても、必要な情報が漏れなく記載された図面が完成度の高い図面といえます。
■ 図面の書き方・ポイント・図面に記載する必要事項
- 三角法で書く
- 部品を製図する場合には、第三角法によって描きます。
三角法では、製品を右から見た図は正面図の右に、左から見た図は左に、上から見た図は上、下から見た図は下に書きます。
以下に示すサンプル図面を参考にして下さい。
- 図面スケール(尺度)を意識して書く
- 図面を書く際には縮尺(スケール)を決めて書くようにします。
尺度の決め方としては、等倍(1:1)が最も書きやすく見やすいですが、部品寸法と図面用紙の大きさを考えて1/2倍、1/5倍、1/10倍、2倍、5倍、10倍等、切りのよい尺度に設定します。
尺度を無視して書くと、図面と実際の製品とのイメージにずれが生じる場合がありますので、たとえフリーハンドで書く場合でもその縮尺を意識して描いたほうがミスを犯しにくくなります。
- 寸法はmm(ミリ)単位で
- 図面中の記載する寸法は、全てmm(ミリ)単位で書き、mm(ミリ)の記号は書かないようにします。
例えば、長さが 15cm なら「150」と記入します。
- 材質(材料)を明記する
- 図面には必ずその部品の材質(材料)を明記します。
用途や使用目的を考慮して材料を選定・指定して下さい。
詳しい材料種別がわからない場合でも、鉄、ステンレス、アルミ、真鍮などの指定はして下さい。
精密板金・板金加工で一般的に使われる材料はこちらを参考にしてください。
精密板金・板金加工の材料
- 板厚を明記する
- 板材料を用いる板金部品の場合は、図面に必ずその部品の板厚を明記します。
用途や使用する材料の強度を考慮して板厚を選定・指定して下さい。
板金材の板厚は材料ごとに市販で購入できる板厚が規格で決まっています。特別な要求でもない限り、規格にある板厚を選びます。
板金加工でよく使われる板材の板厚についてはこちらを参考にしてください。
各種板金材料の板厚
- 製作数量を明記する
- 図面にはその部品の製作数量を明記します。
1個作るのと20個作るのでは部品単価(部品1個あたりの製作費用)が変わりますので必ず図面に明記して下さい。
- 数字や文字は極力大きく明瞭に
- 図面中の寸法数字や文字はなるべく大きく、はっきりと見易いように書いてください。
図面を見る人に誤解されるような小さく見づらい数字や文字は、間違いや不良の原因に直結しますので、これは非常に大切なことです。
紙図面の場合、FAXを通すとさらに見難くなることも考慮して明瞭に書くことを心掛けて下さい。
- 表面処理が必要な場合は図面に明記する
- 部品にメッキ処理や焼付塗装、アルミ材へのアルマイト処理などの表面処理が必要な場合には、その仕様を図面に明記します。
図面に表面処理について指示が無い場合は、表面処理なしと判断されます。
- 必要があれば、製作精度(寸法公差)や仕上げ及び粗さの指定をする
- 寸法公差などは、設計上特に必要がある場合に指定してください。
必要の無い部分の公差指定や必要以上の過度な公差指定はコストアップの要因になりますので、使用目的上、特に精度を必要としない場合は指定しないことをおすすめします。
寸法精度は、特に指定がなければ、JISの一般公差(JIS B 0408 金属プレス加工品の普通寸法公差)のB級の公差内での加工となります(以下の表になります)。
- 厚紙やダンボールとハサミがお役立ち
- 完成品のイメージをつかみたい時や、自分が書いた図面を検証したいときには、厚紙やダンボールをハサミで切って実際にその部品の形状を再現してみることをおすすめします。
原始的な方法ですが、これが一番良いです。
■ 板金加工部品実物から理解する図面の書き方サンプル
実際に加工の際に使われる板金加工部品の図面というのはどういうものかを理解していただくために、完成部品の実物写真と、その元になった加工図面をご紹介します。
実物写真とその図面を見比べることにより、図面の書き方・ポイントのイメージがつかめると思いますので是非参考にして下さい。
サンプル1のように、手書きフリーハンドの図面でも、必要事項さえきちんと記載されている図面であれば、十分立派な図面と言えることも理解していただけましたら幸いです。
- 部品&図面サンプル1(手書きフリーハンド図面例)
- 部品データ
- 材質:アルミ A5052P、板厚:t1.0、用途:機械装置板金加工部品
【全景写真(鳥瞰写真)】
【三角法で図面化するときの正面・上面・右面の角度から見た写真】
【サンプル1部品の三角法による図面の例】
- 部品&図面サンプル2
- 部品データ
- 材質:ステンレス SUS304-2B、板厚:t1.5、用途:機械装置板金加工部品
【全景写真(鳥瞰写真)】
【三角法で図面化するときの正面・上面・右面の角度から見た写真】
【サンプル2部品の三角法による図面の例】
- 部品&図面サンプル3
- 部品データ
- 材質:鉄 SPCC、板厚:t2.0、用途:機械装置板金加工部品
【全景写真(鳥瞰写真)】
【三角法で図面化するときの正面・上面・右面の角度から見た写真】
【サンプル3部品の三角法による図面の例】
■ 製図用紙サンプルのダウンロード
CADを使わずに紙面へ板金加工部品などを製図する場合、以下のような製図用紙をご用意しておりますので、よろしければお使いください。
(下のPDFファイルをダウンロードし後、印刷してお使い下さい。)
もちろんこの製図用紙でなくとも構いません。どんな用紙に書いて頂いても結構です。
- A4横サイズ 製図用紙サンプル(PDFファイルサイズ:13KB)
(ダウンロードは上のリンクを右クリックで「対象をファイルに保存」)
【A4横サイズの製図用紙サンプル】